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白内障

​白内障とは

 目の構造はよくカメラの作りにたとえられますが、カメラのレンズに当たる部分を水晶体といいます。目に入ってくる光を集光して、フィルムに当たる網膜という神経の膜に、焦点を合わせる働きをしています。この水晶体が濁った状態を白内障と呼びます。

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​白内障のタイプ

 一口に白内障と言っても、いろんなタイプがあり、特徴も異なります。治療は一緒ですが、手術時期の決定に大きく影響する要素です。

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【皮質白内障】

最も多いタイプ。

比較的見づらさを生じにくい。

ただし、右側のwater cleftと呼ばれるタイプは例外。

進行は一般に遅い。

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【前嚢下および後嚢下白内障】

中心から濁るため、早期から視力障害を自覚しやすい。

進行しやすいという特徴もある。

加齢性にも多いが、アトピーや糖尿病、虹彩炎などに併発しやすいタイプ。

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【核硬化(左)】

この症例は後嚢下白内障を伴っている。

近視化の進みやすいタイプもある。

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【成熟白内障(右)】

白内障が進行して真白になってしまっている。

 

【特殊な白内障】

左は結晶状の混濁のためクリスマスツリー白内障と呼ばれる。

右は先天白内障の一種である、後極白内障。

 

白内障のタイプ

 白内障のほとんどの原因は老化によるもので、加齢性白内障といいます。

目の中の炎症や怪我、時には先天的な素因などによって生じる白内障もありますが、頻度は少ないです。老化による加齢性白内障(以前は老人性白内障と呼ばれていました)は、早い人では30歳代から認められ、80歳を越えるとほぼ100%になります。

​白内障の症状

 レンズが濁るため、光が通りにくくなって視力が落ちたり、光が散乱してまぶしく感じたりします。しかし、濁り方は人によって異なり、かなり進行しても視力障害を感じない方もいれば、それほど強くない濁り方でもかなり見づらくなる方もいます。

時に「メガネをかければよく見えるけれども裸眼では見づらい」と訴える方がおられますが、この場合の見づらさは、近視・遠視・乱視などの屈折異常や老視(調節力の減退、いわゆる老眼)によるものであって、白内障による症状ではありません。

そのような場合は手術よりもまず度の合ったメガネをかけることをお勧めしています。

​白内障の治療

 治療薬として白内障進行予防の点眼がありますが、これを使用しても治るわけではなく、一度生じた濁りは改善しないので、白内障が進行してしまったら、有効な治療は手術しかありません。目の中の水晶体というレンズが濁って光の通りをさえぎるわけですから、この濁りを取り除けば光の通りが回復します。しかし、取り除いただけではピンボケになってしまいますので、合成樹脂製の眼内レンズ(いわゆる人工水晶体)を目の中に移植します。

手術の内容をもう少し具体的に説明しますと、水晶体は水晶体嚢と呼ばれる透明な袋に包まれており、その中身が濁っています。そこで、この透明な袋の前の方に丸い穴をあけて、中身を超音波で砕きながら吸引して取り除きます。そうすると透明な袋が残りますので、その中に眼内レンズを挿入します。

万が一、手術の状況によって眼内レンズを移植できなかった場合には、コンタクトレンズなどの使用を考慮します。

なるべく丁寧な手術を心がけており、手術時間は平均15 分以内ですが、手術中に合併症が生じると、1時間以上の時間を要することも(まれですが)あり得ます。

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【眼内レンズの度数と種類】

眼内レンズの度数は、眼球の大きさ(直径)と角膜(黒目)の形から計算し、ご希望によって度数を選択します。この度数の狙い方の大まかな指針を記しておきます。

 

【遠くに合わせる場合】

裸眼の状態で遠く(2~3m以上離れた距離)が見やすいようにします。

読書時には近用眼鏡(老眼鏡)が必要になります。

もともと、裸眼で遠くがよく見えていた方に向いています。

 

【近くに合わせる場合】

裸眼で読書距離の30~40cmが見やすいように度数を設定します。

遠くを見るためにはメガネが必要です。

近視でメガネに慣れており、手元を見る時には、メガネを外して見る習慣がある方に適しています。

 

【中間に合わせる場合】

1m前後に合わせると裸眼で遠くも近くもある程度は見えます。

あまり細かい字を読まない方は、これで満足される場合もありますが、遠近ともにはっきりと見るためにはメガネが必要です。

大まかには以上の3通りですが、御要望に合わせてより細かい選択も可能です。

適切なメガネを用いれば、遠くも近くもピントは合いますので、あくまでも「裸眼で」ど

のようになりたいか、ということが選択の基準です。

長年コンタクトレンズを使い慣れてきた方など、それぞれの方の状況に応じ、反対眼の状態も考慮しながら適切な度数を提案致しますが、最終的には御本人に決めて頂きます。

度数決定の参考とするために作成したアンケート用紙を事前にお渡しています。

必ず、事前に御記入の上、術前検査の日にご提出下さい。

乱視とメガネ作成の時期

 手術では器具を出し入れするために、角膜(黒目)と強膜(白目)の境目付近に数mmの切り口を作ります。この切り口では、手術後の傷の治りに伴って、ある程度のひきつれが生じます。これがわずかな眼球のゆがみ、つまり乱視の変化を引き起こします。

今まで乱視と言われたことのない方でも、詳しく調べれば必ずある程度の乱視は存在

するものです。したがって、元々の乱視が手術によって変化することになりますが、この変化は通常手術後1~3か月で落ち着きます。

手術の直後にメガネを作ってしまうと、やがて度数が合わなくなる可能性が高いので、特にお急ぎの事情がない限り、手術後1か月以上経て、乱視が落ち着いてからメガネを処方しています。

手術後の見え方

 白内障の他に問題がなければ、翌日眼帯を外した時にはすでによく見えることが多いです。

しかし、御高齢の方や手術後の角膜のむくみが強めに出現した方など、視力が改善するのに1週間以上かかる場合もあります。眼内レンズの度数設定において、誤差や個人差を完全になくすことはできないため、裸眼でピントを合わせたはずの距離でも、メガネが必要になることがあります。

単焦点眼内レンズの場合には、裸眼で遠くから近くまで自由に見えるということはあり得ませんので、少なくとも1つメガネが必要となります。

また、白内障以外の病気がある場合には、矯正視力が出ないこともあります。視力の出が悪そうな場合には、手術前からできる限りお話していますが、手術してみなければわからないこともあります。もちろん、そのような場合もできる限り事前に説明いたします。

また、後発白内障といって、手術から1~2年位たつと水晶体の袋が濁って視力が落ちてくることがありますが、外来で簡単なレ-ザ-治療を行えば視力は回復します。

白内障の治療時期

 白内障の治療時期についてですが、昔は見えなくなるまで待った方が良い、と言われていました。しかし、それは手術の安全性が低かったこと、分厚いメガネをかけるために、両目を手術する必要があったこと、手術方法自体もある程度進行していないとやりにくかったことが理由です。

現在の手術の安全性は昔とは比較にならないほど高くなりましたし、片目のみの手術でも問題なくなりましたし、さらに、現在の方法では、むしろあまり進み過ぎない状態の方が安全に手術をできますので、「見えなくなってから」という考え方はほとんどなくなりました。現在お悩みの症状の原因が白内障であるならば、よく相談された上で手術を検討されてはどうかと思います。

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